バツ1同士もと恋人だったフツーのおじさんの恋愛話、

山田ユギの作品集『やらしい昼下がり』は、学生からおじさんまで幅広いホモがいます。
表題作『やらしい昼下がり』は、片思いの男に高校生の家庭教師バイトの変わりを頼まれたむくわれない尾崎が主人公。
生徒である高校生の淳也はまったく自分に懐く気配はありません。
それどころか馬鹿にされるような態度もとられ気分が悪くなっていたところ、偶然淳也が実の妹に思いを寄せていることを知ってしまいます。
仕返しのつもりでからかったところ、淳也はぶちぎれ、なんと無理やりに尾崎を抱きます。
家庭教師を辞め、淳也の家に寄りつかなくなった尾崎のもとに、淳也が謝罪に訪れ、なんとなく二人でやらしいことをしてしまいます。
昼間っから二人でかきっこをしてしまうため、「やらしい昼さがり」なわけですね。
そのあと片思いしていた相手に失礼なことを言われ傷つく尾崎とそれをかばった淳也が、微妙な空気になり・・・といったところで話は終わります。
今後の展開を想像させる終わり方なのですが、どうせだったらそのままつきあっちまえよ!という思いでかなりじれったいです。
体だけの関係だった男が、同じように尻を貸していた男たちの私物を盗んで失踪するという設定だけ読めばシリアスなのにノリもテンポもいいラブコメディーや、バツ1同士もと恋人だったフツーのおじさんの恋愛話、
会社の後輩から想われていることに気付きながらなにもしなかった男の話などバラエティーに富んでいますが、おすすめは『カナとがまん』という、大切になる前に嫌われてしまいたいという若干病んだ男の話です。
浮気を繰り返し相手が別れを切り出すことを待っているようなやっかいな主人公なのですが、攻めもイケメンのくせにそんな受けをかわいいと思っているハッピーなやつです。
しかし確かに自ら浮気を切り出し、思い通りに分かれられたはずなのに、足元にすがって謝る姿は情けなくもいじらしいです。
そのうえちゃんと二人がラブラブになっての終わり方だったので、短い話でありながらちゃんと癒されるし萌えもあります。
短編集ですが、さまざまな萌えがぎゅっとつまってますよ。